現在制作中の絵本には、森に暮らす猿が出てきます。
これまでも上野動物園に写真を撮りにいっていたのですが、
どうしても狭い檻の中で暮らしている猿たちは、
動きも表情も絵本の中の猿と違う…とモヤモヤしていたので。
国内で猿をのびのびと飼育している、
愛知県犬山市の「日本モンキーセンター」に取材に行ってきちゃいました!
猿がリラックスして暮らしている動物園『日本モンキーセンター』
インスタで知った愛知県犬山市の「日本モンキーセンター」。
”猿がなるべく自然な形で飼育されている動物園”を探している時に動画をみて取材先に決定!
かなりの種類の猿がいるようなので、2日間に渡ってスケッチや撮影をしてきました。
基本屋外なので寒かったです…
私、動物の絵ってあまり描いたことがないんです。
制作に入る前は『絵本はファンタジーなんだから、別にそんなにちゃんとした
猿のいる世界じゃなくてもいいんじゃない?』と思っていました。
でも、実際に絵で描いてみると違和感しかない!!
なんでだろう?
ここから私の猿研究が始まりました。
猿は猿でも、どんな猿をモデルにするかで悩んだ日々…
そもそも猿と一口に言っても、
チンパンジー・ゴリラ・ニホンザル・ヒヒ・テナガザル…体の大きさも顔立ちも違うのです。
今回の絵本の舞台は森。
それもバナナの木が自然に生えているような暖かい気候の森です。
はじめのうちは、バナナの木にニホンザルを描いていた私ですが、
これは明らかに何かが違う…激しいこれじゃナイ感を感じました。
↑これは上野動物園。猿の種類があまりいません。
モンキーセンター帰りの今なら分かりますが、
動物園にいる動物の中でも猿は地球のかなり広範囲に生息している生き物です。
例えばライオンはアフリカにしかいませんが、
猿は赤道付近の暑い国にもいるし、日本のような寒い国にもいるのです。
生きている環境が多種多様になってくると、生活の仕方も大きく変わります。
手やしっぽでぶら下がれる猿は普段は木の上で生活しています。
なので手が長く大きく、頭はとても小さいです。
逆に地面を歩くヒヒやゴリラは頭がでかく手足は小さいです。背骨も湾曲しています。
生きている環境が、その生き物の体の作りまでも変えてしまうのです。
↑企画展示は骨!骨格も知りたかったので、とても参考になりました。
手前がチンパンジー、奥がヒヒ。
私がバナナの木にニホンザルを描いて感じた違和感は、
木が生きている環境と猿が生きている環境が違うから。
バナナの生える森には、ニホンザルはいないのです。
絵本はファンタジー。
だけど、絵を見たときに人が「あれ?」と違和感を感じると、その世界に入り込めないのも事実なのです。
自然のものだからこそ、
私たちに感覚的に備わっている`世界観´があるのだとこの時気づきました。
モヤモヤした気持ちのままで、とりあえず期日までにラフを上げていったこの1年。
ここで自分なりの答えを出せたように思います。
実際にたくさんの猿を目の前にして、モデルにしたい!と思ったのは…
絵本のラフもかなり仕上がってきているので、どんな動きの猿の絵にしたいかは頭に入っています。
まず、主人公は猿に育てられているという人間なので、
設定上人間の子を抱っこしたり、お世話したりしないといけません。
テナガザルだと動きもあるし、絵的にはいいかなと思ったのですが。
頭が小さく体は手以外華奢なので、人間の乳児は育てられるかもしれないけど、
2歳児くらいになると無理な気がする…と思いました。
↑顔がかわいいのもイイ!!最高カワイイ!!
ラフの初期では、人間に近いと言われているチンパンジーもいいかなと思ったりしていたのですが
実際にチンパンジーの目の前で瞳をのぞき込むと、知能が高そうに見えるのです。
この絵本の猿は、ちょっとおバカで話が通じない生き物が良いのです。
設定上、もうすこし人から離れた生き物がいいように思いました。
↑ガラス越しにダイブしてくるチンパンジー(怖)
↓ゴリラはなんか話せばわかってくれそうな感じ…
園内すべての猿を見たのちに、完全にノーマークだった「ヒヒ」が外見・動き・行動で、
これじゃない!?となりました。モデルはヒヒにしようと思います。
↑ヒヒ70頭VS人間私1人で完全にアウェーな気分です
充実の展示室と園内の説明パネル!知りたいことは全部書いてあったよ~!
モンキーセンターの展示室には、この動物園で亡くなった猿たちのはく製や標本がずらりと並んでいます。
爪や鼻の孔など、細部のスケッチをさせていただきました。
命を大切に研究に使っている所がいいなと思いました。
骨も猿の種類ごとに見ていくと、チンパンジーよりヒヒは鼻のあたりが長かったり、
4足歩行するときの地面への指の付き方も違うので、指の骨の付き方も違います。
スタッフの方が実際に生息地へ訪れた時の体験談や旅行記も面白かったです。
同じ国でも環境が違うので、どこにどんな猿が住んでいるか書いてあって分かりやすい!
ファンタジーの世界に行くために、現実の世界もしっかり見るべし!
私はずっと目に見えない世界を描いてきました。
それはリーディングで‘観た’世界だったので、私にとってはいつでも迷わず描けるものでした。
でも今回の絵本は原作の方がいて、私の内側から湧いてくる世界ではなくて、
リーディングで観てこれる場所ではなく。
実際に手を動かしてみると、これじゃない感をひしひしと感じていました。
私も大きくくくれば’猿’の仲間ですね!
「ファンタジーの世界なのだから、私の好きにすればいい。」
そう自分に言い聞かせた時期もありましたが、やっぱり分からないものって描けないのです。
どんなにスピリチュアルな世界に没頭していても、グラウディングが大事なように。
幻想の世界に飛び込むためには同時に、現実の世界を知る事が必要なのかもしれません。
ここから、ファンタジーの世界を構築していきます!
先日お届けした天使のオラクルカード制作風景と同様に
また絵本制作の模様もお伝えしていきますね!
長い仕事なので一人だと、フクロテナガザルみたいに「うぁー!」って叫びたくなりますが、
ブログやSNSを見て下さった方から、『楽しみ』というお声をいただくのがものすごく励みになっています。
●日本モンキーセンターの飼育員さんのBLOGが笑って泣けるので、ぜひみてください!
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