私が一番好きな花魁漫画「瀬戸内の女郎小屋~声なきものの唄」

みなさんは、電子書籍って読みますか?
私は電子書籍で漫画を読むのが好きで、紙の本だったらきっと手に取らなかっただろうというジャンルの作品をたくさん読んできました。

紙の本だったら…といったのは、読んだ後部屋に置いておくには重そうな作品にもどんどん手を出していけるから。
私のスマホの本棚は、精神科をテーマにした漫画や、児童虐待問題の漫画、犯罪者の心理を扱った漫画など、ダークな漫画がいっぱいです。

なんとなく、身の回りに置いておくものにはダーク空気をまとったものは避けていて。
紙の本で戦争など暗いテーマのものは所有していないのですが、
読んで強く記憶に残っている作品って、重いテーマの本が多いんです。

金星が蠍座(5Hで冥王星と土星もいる)のせいですかね~。
生と死とか性、マイノリティものが私の大好物です。

強くたくましく生きる遊郭の女性たちを描く「声なきものの唄」

その中でも私が特に好きなジャンルは、日本の歴史の中で生き抜いてきた女性をテーマにした作品

男女差別や貧富の差に負けず、今の日本を作ってくれたたくさんの女性たちに、感謝と尊敬の気持ちが沸いてくるからです。

そういったかっこいい女性たちの物語を読むと、自分が女性で良かったな~と思うこともしばしば。
着物の時代が好きな私は、花魁が出てくる漫画が華やかさと切なさと強さがあって大好きです。

そうそう。私はなぜか、前世に花魁の人がいたような気がしていて。
中学生の頃、着物が大好きになり、舞妓さんになりたいと親に相談したり。
ヒーリングを勉強していた頃は、「ペアワークで花魁のイメージが見える」と何度も言われたことがあります!

 

いろいろ読みましたが、中でも今一番夢中になって読んでいる漫画を今日はご紹介したいと思います。
安武わたるさんの「声なきものの唄」

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こちらがAmazonの商品説明にあるストーリー。

最下層遊郭に売られた少女が見る、この世の地獄!!
明治後期、瀬戸内海の伊之島で生まれ育った活発な少女・チヌ。
母はなく、幼いころから父親と、美しい姉・サヨリとともに暮らしていた。
ある時、父が死に、姉妹は人買いの競りにかけられる。
サヨリは高値で女衒に売られ、チヌは下層遊郭の「須賀屋」へ売られた。
生きていればいつか姉に会えると希望を持つチヌだったが……。

「この世の地獄」と怖い感じで書かれていますが、
内容はそれほど暗くなく、読後は重い感じにはなりません。
(続きが気になって「あぁ~!」とはなるけど)

女郎をテーマにしながら重くない作品になっている理由は、主人公・チヌ(黒鯛の別名だそうです)が明るく正直でやさしく、ちょっと天然な性格をしているから。
姉女郎に嫌がらせをされても、嫌な客に当たっても、丁寧にお勤めをし続けます。

そして、自分の周りの人たちが窮地に立たされた時は、女郎らしくしっかりと啖呵を切って事を納めます。
そんな時、普段はおっとりしたチヌを「姐さん!!」と呼びたくなります。かっこいい!

舞台は瀬戸内の海辺の遊郭「矢津遊郭」

まだ15歳のチヌが初めてのお客を取らされるシーンや折檻されるシーンなど、
読んでいて胸が痛くなる場面もありますが、舞台となる遊郭は瀬戸内の海辺の矢津遊郭。
このロケーションも、作品全体のからりとした雰囲気を作り出しています

ちなみに矢津遊郭がどこなのか?検索してみたのですが、矢津遊郭がどこにあったのかという情報を見つけられませんでした。
作中に『広島県矢津の』というセリフが出てくるので広島県であることは間違いないのですが、『矢津遊郭』という地名は作者の創作なのかもしれません。

先日、ある地域で遊郭跡の遺跡を残すか撤去するかで、住民の方たちの意見が分かれているというニュースを観たので、その地域に今も暮らす方たちにとっては、住んでいる土地の歴史はデリケートな問題でもあるのでしょう。

囚われの身ではあるという点では、吉原や島原などほかの遊郭と変わらないのですが、嫌なことがあると海に向かって叫んだり、時には船に乗ってお客さんと舟遊びをしたりと、
瀬戸内の海がいろんな辛いことを飲み込んで、浄化してくれるようなシーンがたくさんあります。

埼玉県民なので、海にあこがれます…。海、いい!

海に落とされ消されそうになったり、海外に売りとばされそうになったりと、チヌに降りかかる海のピンチもたくさんありましたが、青く美しい瀬戸内の海はやっぱり開放的。

悪人も女郎もお客さんも、みんなそれぞれ必死に生きている人たち

チヌの周りにいる遊郭の人たちやお客さんにいい人が多いのも、この作品の特徴です。

心優しいチヌの目線で周りを見ているので、特にそう見えるのかもしれません。つくづく、自分の心が見る世界を変えるのだと思わされます。

中にはチヌを職業で差別したり、だまして利用しようとする悪人も登場しますが、作者である安武さんは、その一人一人をただの悪人とせず、当時の日本の生活苦ゆえに悪事に手を染めるしかなかった、せつなく脆い人として描きます。

登場する一人一人だれもが、貧しさや生まれてきた環境に苦しみ、
そう生きるしかない運命のなか、必死に生きているのです。

そこに私はじーんときてしまいます。

『世間で生きとるもんは皆、薄い板ん上歩いちょるようなもんや』

例えば、私のイチオシ男子である、遊郭の仲どん(下働き)栄太君は、貧しい漁村の出身。大怪我をして歩けない父と母、そして小さな弟と妹がいます。

以下、ネタバレです。ご注意を。

事故で歩けなくなった父を医者に見せることもできず、薬を買う事すらできず、今日家族が食べるものもない困窮した家庭に暮らす栄太は、6歳で「メシモライ」として母の知り合いの漁師に預けられます。

「メシモライ」は、口減らしのためよそで働く代わりに、衣食住の面倒をみてもらう、いわば丁稚奉公です。

幼い弟や妹のために、栄太は時折陸に上がり採れた魚を持っていっていました。

ある日栄太が実家を訪ねると、母がいません。
栄太の母は、父の薬を買うために村の男に身体を売っていたのです。

母を責める栄太に、親方は言います。
『板子一枚下は地獄ちゅうが…世間で生きとるもんは皆薄い板ん上歩いちょるようなもんや。
そいでん、’情け’があるから人は歩いて行ける。
必死に歩いちょる母ちゃんに…親に、情けかけちゃれ』と。

この親方の一言に、貧しかった日本の女性たちの生きざまが現れていると感じて、とても印象深かったシーンです。

日々を精いっぱい生きる強くしなやかな女性たち

女郎、または花魁、今でいう風俗業に従事している女性たち、最近の言葉でいうと『夜の街』で働く人たち。
苦しい生活を強いられている一人一人に事情があります。

彼女たちを蔑み、憐れみ、好奇の目で見る人たちもいますが、この漫画にはそういった職業に身を置きながらも、日々を精いっぱい生きる強くしなやかな女性たちがたくさん出てきます。

それはきっと、現代でも同じなのではないでしょうか。

栄太はのちに船を降り、矢津遊郭の仲どん(下働き)として借金を返すために働き、売られてきたチヌと出会います。

仲どんという立場上ずっと心に秘めているのですが、実はチヌに片思い中の栄太。
お勤め中のチヌをみてため息をついたり、泣いているチヌを気にかけたり、何かとじれったくてかわいいやつなのです。

頑張れ栄太!いつかチヌに栄太の気持ちが伝わるといいな~。
個人的には、禿の美緒ちゃんとお似合いなのでは?と思っています。

『声なきものの唄』は、<まんが王国>というサイトで無料試し読みができます。
興味のある方は、ぜひそちらで読んでみてください~!
ハマっちゃったら、教えてくださいね♪

それでは、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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